虫歯になる原因に対して、フッ素塗布の以下ような働きが、「歯」と「お口の中の細菌」に作用し、虫歯になりにくくする効果があるとされています。
①唾液中に含まれるミネラルの沈着を促進し、再石灰化を助ける
②歯の質を強化し、酸から歯を溶けにくくする
③酸の生成を抑える
「生えたての乳歯」や「生えたての永久歯」は、歯の質が弱く虫歯になりやすい為、フッ素を塗ると予防効果を大きく期待できるとされています。
歯周病や部分入れ歯の使用によって、あごの骨や歯茎が痩せて(吸収して)しまい、普段なら歯茎で覆われているはずの歯の内部のセメント質や象牙質が露出してくることがあります。
セメント質や象牙質はエナメル質(歯茎から上の歯の表面部分)よりも弱く虫歯になりやすい為、歯茎が露出してしまった場合には、フッ素を塗ることで虫歯のリスクを下げることに役立つとされています。
塗布の必要な回数はお口の状態によって異なりますが、1年に2~4回の塗布を継続することで20~40%程度の虫歯の予防効果があるとされています。当院での塗布方法は「歯面塗布法」を行っております。「歯面塗布法」とは、丸めた綿や綿棒や歯ブラシにフッ化物を浸して、歯1本ずつにフッ素を塗る方法。他の方法に比べて短時間で終わらせることができる為、1歳の(乳歯が生えた)お子様から大人まで受けられます。
〇過剰摂取はしない
一度に多くのフッ素を飲み込んでしまった場合は、吐き気や嘔吐などの急性中毒を生じることがあります。しかし、歯科で受ける塗布では、急性中毒が起こらない範囲の量を用いているので心配ないでしょう。
これら2つの違いは、フッ素の濃度にあり、期待できる効果も少し異なります。歯科や市町村保健センターなどの医療機関で使用する高濃度のフッ素(9,000~123,000ppm)は、歯質の強化を特に期待することが出来ます。一方で、薬局やスーパーなどで販売されているフッ素配合の歯磨き剤などに含まれる低濃度のフッ素(500~1,000ppm)は、使い続けることで再石灰化の促進や酸を作る力を抑えることを期待することができます。これらを併せて行うことで、虫歯予防の効果がより高まります。