○歯のコラム 2013年1月 「世界が八重歯を嫌う?」
世界では忌み嫌われる八重歯ですが、確かに日本だけには「八重歯が可愛い」とした時代がありました。様々な不正咬合の中で八重歯にだけ独特な価値観、美意識を持っているのは日本人だけと結論され、日本文化の影響を受けて育ったなら、科学技術の発達や生活の西欧化、外国文化と融合を繰り返しても、この価値観はドラマチックには変わらないだろうと結ばれています。
とは言え、歯科医学的に犬歯には咀嚼時のガイドとして働く重要な役割があり、八重歯の状態ではその役割が果たせず、また、歯磨きもしにくいことからむし歯や歯周病が懸念され、さらに転んだ時などに怪我をしやすいなどの理由から治療することをお勧めしているのです。
アメリカでは健康でスリムなことに加え、歯並びが良いことも能力ある企業の上級管理職の外見上の条件だと言われているそうです。
また、特に欧米においては、出っ歯や受け口など様々な不正咬合(適切に噛み合っていない状態)の中でも、八重歯はドラキュラや狼男、魔女などと関係づけられ忌み嫌われるようです。
それではアジアにおける八重歯はどうかと言いますと、以前から韓国と台湾には女優や歌手に歯並びの悪い人はいないようで、八重歯が「可愛い」という認識もないとのことでした。また、中国では八重歯は「虎の歯」と呼ばれ、「幸福が逃げる」または「親や配偶者と離別を早める」などの迷信があり、非常に気にしているとのことです。
しかし近年は、日本のアニメやアイドル文化がアジアだけではなく欧米でも受け入れられているようですので、日本のアニメのコスプレをしている外国人や日本のアイドルのファン達に八重歯への意識を聞いてみるのもおもしろいかもしれません。
シオノデンタルクリニック 歯のコラム 2013年1月掲載分