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歯のマンスリーコラム:シオノデンタルクリニック

シオノデンタルマンスリーコラム

○歯のコラム 2015年2月 「☆口で呼吸するのはなぜよくない?☆」

 

■口で呼吸するってどういうこと?

 鼻呼吸では、鼻毛、鼻水、鼻粘膜上皮の線毛などさまざまな異物除去装置がはたらいて、風邪ウイルス、バクテリア、細かいチリを体の中に入れないようにしています。だいたい花粉程度の大きさ以上のものは鼻でほとんど除去されます。

冬の冷たく乾燥した空気でも、吸い込んで10cmも体内を進むと、体温と同じくらいの温度、そして高い湿度まで変化させることができるのです。しかし、口呼吸はこの能力に劣ります。

すこし汚れた、体にとってダメージのかかってしまう空気を吸い込んでしまいます。乾燥した冷たい空気を吸い続けると、口腔内の粘膜が弱ってしまい、風邪を引きやすくなります。

 

■全身に及ぼす口呼吸

・顔面と身体の歪み・歯列と口元の変形

・学力・運動能力低下・ドライノーズ

・ドライマウス・浅く早い呼吸

・いびきと歯ぎしり・体の冷え など

 

■「お口ポカン」の見分け方

呼吸様式には、①「鼻呼吸ができない口呼吸の状態」、②「鼻呼吸だけどお口がポカンと空いている状態」③「口唇閉鎖可能で鼻呼吸の状態」があり、前者2つが口呼吸とされています。

① 鼻呼吸ができない口呼吸の状態
(特徴)厚みのある唇、乾燥した時期の唇のひび割れ
(口腔への影響)口腔乾燥。また、口唇閉鎖不全にともなう歯肉炎や初期う蝕が見られることもあり、特に前歯部への影響が大きい。不正咬合への影響も、傍歯槽堤の膨隆という形で認められている。下のポジションにも大きく影響することになるため、注意が必要。

② 鼻呼吸だけどお口がポカンと開いてる状態
(特徴)口腔周囲筋が弛緩した顔貌
(口腔への影響)口腔内への空気の流れが目立たないため、あまり口腔乾燥は認められない。口唇閉鎖不全による口腔周囲筋の緩みにともない、不正咬合への影響も認められる。

 

☆あいうべ体操

舌の位置改善し、口呼吸を鼻呼吸に変えていく口の体操です。
舌小帯短縮症や狭小な上顎、ひどい鼻炎などなんらかの医療的介入が必要な場合を除き、早い人で3週間、遅い人でも3ヶ月で舌の位置の改善がみられます。

「あ」・・普段しゃべるよりも大きく口を丸く開けます。下顎を下へ引っ張るように。

「い」・・口角をさゆうに引き寄せます。できるだけ左右の高さが同じになるように。広頚筋が筋張るほど拡げると良いでしょう。

「う」・・口輪筋をぎゅっと縮めます。口をすぼめるのではなくて、しっかり前方へ突き出します。

「べ」・・舌を下顎方向へ突き出します。慣れてきたら前方、側方、上方などへ動かします。

「あ」「い」「う」「べ」の4文字を1セットとして4~5秒程度のスピードで、1分間に10回行います。1日30セットを目標に、一度に最低でも10セット行いましょう。

 

おわりに、

 現症に対してアプローチしていくためには、お子様としっかりコミュニケーションを取ることが大切です。その中で「これは!」と思う原因が見つかるかもしれません。

 姿勢を正す、舌を挙げる、口を閉じるといった日常の生活をとおして、健康的な成長は自分自身の手で獲得できるよう子どもたちへ働きかけることは、将来必ずプラスになるでしょう。

 

 

シオノデンタルクリニック 歯のコラム 2015年2月掲載分

 

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