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歯のマンスリーコラム:シオノデンタルクリニック

シオノデンタルマンスリーコラム

○歯のコラム 2015年3月 「喫煙とお口の健康の関係」

 

■喫煙がお口に与える影響って?

お口のさまざまなトラブルの原因

 タバコにより、歯肉にも着色が起こります。加えて、口腔・咽頭ガンの発生率が3倍になるほか、味覚が鈍くなったり、口臭を悪化させたりします。また、最近では小児のう蝕発生療法の予後も、親が喫煙者か非喫煙者かで左右されるとの報告もあります。

 

■喫煙者のお口の中を見てみよう

比べてみれば一目瞭然!

 喫煙者の歯肉が暗紫色になるのは、ニコチンの毛細血管収縮作用と、一酸化酸素が原因です。ニコチンの血管収縮作用により、組織の血行は悪くなります。

 また、一酸化酸素がヘモグロビンと結合することで、血液の色自体もどす黒くなります。このような理由で、歯肉は健康なピンク色ではなく、暗紫色になります。メラニン色素の沈着も強く認められるほか、辺縁歯肉がロール状に肥厚し、繊維性でゴツゴツしています。これは見た目だけでなく、実際に治療をしていても感じることができます。

 

■タバコは歯周病の大きなリスク

知らぬ間に歯周病が進行していることも…

 喫煙の歯周病への影響は、「かかりやすい」「気がつきにくい」「治りにくい」の3つです。まず、生体の本来の免疫機能が喫煙により妨げられるため、歯周病にかかりやすくなります。喫煙者は非喫煙者に比べて罹患率が高く、重度に進行した人の割合も高いことが知られています。

 また、ニコチンの血管収縮作用により炎症症状が隠され、歯周病が進行しても出血などの自覚症状が出にくくなります。そのため、発見が遅れてしまい、気づいたら重度の歯周病になっていたということがあります。

 さらにいざ治療を始めても、喫煙者の歯肉は硬くて沈着物の除去が難しく、歯周組織の修復も阻害されているため、思うように治療効果が上がらないのです。

 

■禁煙するとこんな効果が

時間をかけて健全な歯肉に戻っていく

 出血が増えるのは、ニコチンの血管収縮作用がなくなるためです。また、正常な炎症反応が戻ることにより、赤みや腫れなども増すかもしれません。どちらも一時的なものなので、心配しないでください。

プラークコントロールがきちんとできていれば治ってきます。禁煙を続けるにつれ、歯肉は健康なピンク色になり、みずみずしさを取り戻します。メラニン色素の着色も薄くなっていきます。

 

 

シオノデンタルクリニック 歯のコラム 2015年3月掲載分

 

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