○歯のコラム 2015年10月 「唾液が減るとなぜ悪い?」
唾液は1日に1~1.5Lも分泌されるといわれています。唾液には、お口の粘膜の保護などさまざまなはたらきがあり、お口や歯をはじめ、私たちのからだ全体を守っています。
■唾液が減るとどうなる?
デンタルフロスを知っていますか?デンタルフロスとは弾力のある糸のような清掃用具のことで、日々の歯磨きだけでは落ちない歯と歯の間や歯茎の境目の汚れを落とす効ことができます。その結果、虫歯や歯周病を予防してくれる効果があります。
しかし、デンタルフロスを使っている日本人はわずか2割と言われています。一度使い始めるとやめられなくなるほど、デンタルフロスの効果は目に見えてわかります。
■どうして唾液が減るの?
1唾液は、自律神経からの指令が唾液腺に伝わり、血液を元につくられます。ですから、唾液が少なくなる原因は、自律神経の問題、唾液腺の問題、血液の量の問題などさまざまで、1つだけではない場合もあります。
薬の副作用でお口の渇きがみられる場合もありますが、自己判断で服用を中止するのは危険です。必ず主治医に相談しましょう。
■唾液が減るのは、どんな人?
口腔乾燥症の専門外来を訪れる患者さんには圧倒的に女性が多く、約8割を占めています。女性は、45~55歳頃に女性ホルモンが低下するため、閉経し、更年期を迎えます。
この女性ホルモンの低下が口腔乾燥と関連しているといわれています。さらに最近では、若年層にもストレスが原因のお口の乾燥がみられるようになってきています。
■唾液腺を刺激して唾液量UP!
口腔乾燥症の治療には、医科で唾液の分泌を改善する薬や漢方薬などを処方してもらうことができます。また、 薬の副作用が原因の場合は、医科の主治医への薬の減量・変更の依頼状を歯科医で作成することも可能です。患者さんに自身でできるケアには、唾液腺のマッサージや保湿剤の使用があります。
また、よく噛むようにするなど生活の中でちょっとした工夫をするだけでも、口腔乾燥感の改善につながります。
シオノデンタルクリニック 歯のコラム 2015年10月掲載分