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歯のマンスリーコラム:シオノデンタルクリニック

シオノデンタルマンスリーコラム

○歯のコラム 2015年12月 「糖尿病とは…」

 食事を摂ると、血液中のブドウ糖(血糖)が増えます。通常なら、すい臓が反応してインスリンが分泌され、体内(細胞)に送り込みますが、この時、インスリンが十分に作用しないことにより、慢性の高血糖状態を生じる病気が糖尿病です。

 糖尿病と歯周病はまったく病態の異なる疾患ですが、その背後には、生活環境・食習慣の影響を受ける点、家族性・遺伝的な要素に影響を受ける点など、多くの類似点が潜んでいます。

【共通点】

①自覚症状に乏しく進行し、不可逆性

まず、一度かかると元には戻らないという大きな特徴があります。つまり、一度かかってしまうと体の重要な機能が失われていくということです。

②家族性・遺伝的な要素に影響を受ける

1型糖尿病や特殊な急速進行性歯周炎、熟年性歯周炎などは、遺伝的な要因や免疫学的な要素にも左右されます。両疾患とも、発症年齢が40歳前後から増加傾向にあることや、家族歴がみられること、そして糖尿病疾患者(特に2型)には歯周病にもかかっている方が多くみられるなど共通した特徴があります。

③生活環境・食習慣の影響を受ける

そして最も大きな類似点は「食」を中心とする生活習慣に影響を受けることです。「生活習慣」によって引き起こされる病気は、初期のうちはほとんど症状が見られませんが、体の中ではさまざまな臓器や器官、そして血管などが声なき悲鳴をあげています。

そのため、どちらの治療においても「食生活」「ストレス」「喫煙」「睡眠」「生活環境」などの問題となっている生活習慣を変えることが必要となります。

 糖尿病になると身体の抵抗力が下がるのでさまざまな合併症が起こり、糖尿病は合併症が怖い病気ともいわれています。
抵抗力が下がるという事は『細菌に感染しやすい=歯周組織が歯周病菌(歯垢)に侵されやすい』ということになるので、糖尿病になると歯周病になりやすく、歯周病が治りにくくなってしまうのです。

 さらに糖尿病になると唾液の分泌量が減少し、唾液が少なくなるという事は口の中の細菌を洗い流す作用が弱くなり、そのうえ糖尿病になると白血球の機能が低下するため細菌の数が増加しますので、歯周病になりやすく、歯周病が治りづらくなってしまうのです。

 また歯周病を治療し、症状が改善されていくと糖尿病の症状も改善されたという報告もありますが、これはまだハッキリとはしていません。
ただ糖尿病を同時に治療していかなくては歯周病を完治させる事が難しいことだけは確かなのです。

 

 

 

シオノデンタルクリニック 歯のコラム 2015年12月掲載分

 

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