○歯のコラム 2017年1月
「毎日歯を磨いていても、歯の表面に黒ずみ汚れ（ステイン）が付着するのはどうしてだろう？」
歯の表面は、唾液由来の糖タンパク質を主成分とする「ペリクル」という薄い膜で覆われています。このペリクルは、飲食物などに由来する色素を吸着する性質があります。特に歯ブラシによる清掃が困難な部分では、歯の表面の微細な凸凹に色素が徐々に蓄積していくことによって、ステインの付着が起こります。
ステインの付着を起こしやすい飲食物には、ポリフェノールの一種であるタンニンを含む赤ワイン、紅茶、コーヒーなどが挙げられます。その他の着色の原因には、タバコに含まれるヤニ（タール）の沈着や、抗菌剤であるグルコン酸クロルヘキシジンを含む洗口剤の長期使用によるものがあります。
ブラッシング時に美白歯磨剤を継続的に使用することは、ステインの除去や付着抑制に一定の効果があると報告されています。歯磨剤に含まれる清掃剤（研磨剤）が歯の表面の汚れを擦り落とします。最近の歯磨剤では、清掃剤の量や粗さを調整して、歯や歯肉を傷めないようなくふうがされています。また、ステインの除去効果を高める目的で化学成分を付加した歯磨剤も市販されています。
自分では落としきれない汚れは歯医者さんで定期的にキレイさっぱり落としてもらいましょう。
シオノデンタルクリニック 歯のコラム 2017年1月掲載分