○歯のコラム 2017年2月
「コゲを食べたらがんになる?」
肉や魚を焼く時に必ず出るコゲ。よく「コゲは発がん物質で、食べているとそのうちがんになる」と言われています。不安を覚える方もいるでしょうが、これはすでに医学で説明されています。確かに動物性たんぱく質が焦げると「ヘテロサイクリックアミン」という発がん物質ができます。また実験上で細菌や小動物にこのヘテロサイクリックアミンを含むコゲを大量摂取させた時、がん細胞が発生しました。
しかし、実際にコゲを多く食べた人たちが発がんしたことは証明されていません。実験を人にたとえると、一説では一日数kg~数トン、毎日コゲだけを食べ続けてやっと発がんするレベルのものです。このことから「コゲを食べ続けたらがんになる」ということはないといえますから、まず心配ありません。
それでもコゲが不安な方は、焼いた肉や魚と一緒に大根おろしを食べたら良いでしょう。大根に含まれるカタラーゼという酵素が、発がん物質を分解します。サンマに大根おろし、和風おろしハンバーグといった先人の知恵は、医学的にもかなっているようです。
もう一つ大事なことは、がん検診を受けることです。たとえ、発がん預金が満期になってがんになったとしても、早い段階で見つかれば簡単な治療で治る可能性が高くなります。がん検診を受ければ死亡のリスクを下げると科学的に証明されています。
シオノデンタルクリニック 歯のコラム 2017年2月掲載分