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歯のコラム:シオノデンタルクリニック

シオノデンタルマンスリーコラム

○歯のコラム 2018年1月 
「歯みがき剤の予防力アップしてます!」

 フッ素が虫歯予防に効果があるって、聞いたことありますよね。実はこのフッ素、日本の歯みがき剤ではこれまで1,000ppmF以下の濃度で配合するよう決められていたのですが、今年3月に国際基準(IOS)と同様の1,500ppmFを上限とする歯みがき剤の発売がついに認可され、販売が始まっているのです。

 

◎改めておさらい!フッ素の効果

フッ素の働きは大きく分けて次の3つ。
①唾液の中に溶け出したカルシウムなどがはに取り込まれやすくなり、歯が修復されるスピードと量が多くなる。
②抗菌作用で虫歯菌の活動を抑える。
③フッ素と一緒に修復された歯の結晶は、元の歯よりも硬い結晶になるため、虫歯になりにくい丈夫な歯になる。適切な濃度がお口の中に長く保たれるほど効果が発揮されるので、フッ素配合歯みがき剤には、こうした効果が発揮されやすい濃度が配合されています。実際、国内のフッ素配合歯みがき剤の市場シェアが増加するにともない、1人あたりの虫歯本数(12歳児)は急激に減少しています。
今後、高濃度フッ素を配合した歯みがき剤が普及していけば、虫歯の本数はさらに減少することが予測されます。

 

 

◎高濃度フッ素配合品、子どもも使える?

 1,500ppmFに配合が認められるにあたり、歯みがき剤メーカー団体(日本歯磨工業会)が相談して、「6歳未満の使用はお控えいただく」という自主基準を設けました。


 歯の形成期である6歳未満は、過剰のフッ素を継続的に飲み込むと、歯に白斑(斑状歯)が現れることがありますが、エナメル質が完成する6歳以降ではまず心配がないため、このような基準となっています。

 

◎予防だけじゃなく治療にも有効です!

 歯は食事のたびに溶けているってご存知ですか?これでは歯がどんどん減ってしまいそうですが、そうならないのは、溶け出したカルシウムなどが唾液の力によって歯に戻り、補修されているからです。

 つまり、歯の溶解に補修のスピードが追いつけば、虫歯はできません。しかし補修が追いつかない状態が続くと、溶解が進み、虫歯ができてしまいます。この初期段階が「初期虫歯」です。

 そこで重要になるのが補修のスピードアップ。カギを握るのは歯の補修のスピードを速めるフッ素です。高濃度フッ素配合歯みがき剤は補修のスピードをさらに高めるので、予防はもちろん初期虫歯の治療にもたいへん有効なアイテムなのです。

 

 

シオノデンタルクリニック 歯のコラム 2018年1月掲載分

 

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